介護施設における個別ケアの定義
個別ケアに力を入れているという介護施設は多いと思います。
しかし、施設によって個別ケアの意味は随分と違うといってもいいでしょう。
真っ当な個別ケアに注力している介護施設であれば問題ありませんが、なかにはとても個別ケアと呼べる代物では無いサービスを提供している介護施設もあるのです。
この個別ケアを前面に出せば、利用者にもそこで働こうとする介護職員にもウケが良いため、これを必要以上にアピールする介護施設もあるのです。
このように基準が決まっていない個別ケアの解釈によって、騙されてしまう利用者や介護職員が多いという実態を知っておく必要があるでしょう。
個別ケアの本当の意味
個別ケアとは、本来一人ひとりの利用者に合わせた介護を意味しているはずですが、未熟な介護職員が個別ケアと称して、自分の好き勝手に介護を提供しているシーンをよく見るようになりました。
これは個別ケアではなく、単なる自分勝手な介護サービスにすぎないのです。
利用者の集団に一斉に同じ介護を提供するやり方以外を個別ケアと呼ぶような非常に乱暴な解釈も広がっていると言えるでしょう。
これではマニュアルのない、属人的な介護サービスは全て個別ケアとなってしまいます。
介護現場で行われている最も基本的な個別ケアは、食事の介助であり入浴の介助であり排泄の介助といったものでしょう。
これらを利用者の状態に合わせて提供するものを本来は個別ケアと呼ぶのです。
個別ケアが実践できている介護施設とは?
食事の介助であれば、利用者の状態に合わせて細かく刻んで食させたり、入浴の介助であれば利用者の状態に合わせて2人で介助したり、排泄の介助であれば利用者の状態に合わせてトイレ介助するのが本来のやり方でしょう。
しかし、このような介助は一般的な介護施設であれば当たり前に実践されてるといってもよいのです。
このように、個別ケアと呼ばれている介助の基本的な部分は、介護職員が自由な発想で臨機応変に対応するというよりも、むしろ個々の利用者の状態をしっかり把握した結果に基づいて決められたやり方で提供するような介護なのです。
利用者の状態をパターン化してしまっている介助であれば、それは個別ケアではなく見方を変えれば画一的な介護サービスと呼ぶべきではないでしょうか。
転職の際は「個別ケア」の実践状況を確認する
個別ケアを実践している介護施設であれば、自分の理想とする介護は提供できると思い、家食を決意する人がいるかもしれませんが、このように個別ケアの定義は曖昧であるために転職しようとしている介護施設が本当の意味での個別ケアをしているかどうかをよく確かめなければいけません。
それを怠って簡単に転職してしまえば、後悔は目に見えています。
そうならないように、転職前にはその施設が掲げる個別ケアの意味をよく確かめておく必要があるのです。
介護転職の前には、よく施設の特性を検討してみてください。

