介護の仕事は好きなんだけど、職場の人間関係が辛いんです・・・
介護現場で働く人からは、こんな声がよく聞かれます。
介護現場で働く人は、他人に奉仕したい気持ちの強い人が多く、基本的には心が優しい人が多い特徴があります。
また、仕事の性質上、女性が多いのも介護職の特殊な点です。
さらに、10代の若手から、60代のキャリアを積んだ人まで、多くの世代が集っているのも介護職ならではの特徴です。
このように、介護の現場は一般の企業と違い、やや特殊な環境にあります。
そのため、人間関係はとても複雑です。
年下の上司もいれば、年上の部下もいます。
正社員とパートの立場の違いもあるでしょう。
さらに持っている資格により、待遇なども違い、キャリアによって担当する仕事にも違いが出るため、そこでの不公平感も生まれるのです。
介護職員たちは、このような様々な悩みを抱えながら、日々の仕事を頑張っています。
そのために、一般の仕事よりもストレスは溜まるかもしれません。
介護職に従事すると、悩みもあれば辛さもあります。
人間関係のストレスを溜め込んだままで仕事をしていると、いつか限界に達して爆発してしまうかもしれません。
そうならないためにも、複雑な人間関係をひもといてみる必要があるかもしれません。
何が原因で人間関係が悪くなっているのか。
自分に問題があるのか。
それとも相手に原因があるのか。
またはお互いが悪いのか。
このあたりの真因を理解することで、人間関係改善の糸口にしてもらえたら幸いです。
介護職の人間関係悪化の原因
介護現場には、老若男女を問わず、いろいろな背景を持った人が集まっています。
年齢、性別、役職、保有資格など、それぞれに違いがある中で、上手くコミュニケーションを取らなければ勤まらない仕事です。
とはいえ、介護職員も人間なので、感情があります。
また、介護のコミュニティはとても狭いので、いろいろなストレスが溜まります。
例えば、介護施設は閉ざされた環境で、人の命に関わる仕事をするので、利用者や職員との関わりが濃密になります。
特に夜勤では二人きりで仕事をすることになるので、気の合わない人がペアになると、それだけで精神的に参ってしまうかもしれません。
また、比較的小さい組織なので、部署異動が少なく、メンバーが固定化されるので、一度関係が険悪になると最悪です。
それは看護師との関係も同様です。
看護師と介護職員の関係はあまりよくありません。
職業独占である看護師は、介護職員に指示をする立場になりやすいため、それを不快に感じる介護職員が多いのが原因です。
看護師との関係でもストレスが蓄積されます。
そして、その結果、派閥ができてしまい、全体的に険悪な雰囲気が生まれやすい環境になるのです。
介護職の人間関係を改善する
このように、人間関係が悪化する原因が多数ある介護の現場ですが、それを改善することは不可能ではありません。
権限のある経営者や施設長などと一緒に職場の雰囲気を変えていく努力をしてください。
まず取り組みたいのは、介護職員全体の関係を把握することです。
そして、派閥があれば解体するようにします。
具体的には、問題のある人を別の部署に振り分けるなどして、問題の根本を断ち切るようにします。
そして、各部署をまとめるリーダーを置いてください。
リーダーは派閥を形勢するような野心家ではなく、能力が高く、リーダーシップのある人を抜擢します。
そして、リーダーと話し合いながら、定期的に部署間の人的ローテーションを行い、それを定例化します。
これにより、人間関係の固定化を防止し、介護職員の不満が溜まらないようにします。
介護職員が個人でできること
経営者や施設長などに相談しながら、組織の風土を改善できても、結局は個々の介護職員の意識が変わらなければ、人間関係は改善されません。
現状、人間関係が悪いとすれば、もしかしたら、あなたに原因があったかもしれません。
謙虚になって、自省してみることも必要です。
本当に自分に問題がないのか。
あるとすれば、どう改善していけるのか。
個人として成長できる点を、上司や同僚と指摘しあいながら、みんなでよりよい介護を目指していければ、自ずと人間関係は良好になるはずです。
まずは、個人として、できることを確認していきましょう。
自信がない
介護現場で働く人は心の優しい人が多い傾向にあります。
そのため自己主張が少なく、周りの人に合わせようとしてしまいます。
言い換えればそれは「自信がない」ようにも映ってしまうのです。
なぜ自信がないのでしょうか。
自信を持てれば、介護現場での人間関係も改善するかもしれません。
自己肯定感
介護現場で働く人たちは、とても良い人が多いのです。相手を思いやる優しさがあって、とても謙虚です。そのような資質があるからこそ、介護の現場で働く決断をしたのでしょう。
その反面、自信のなさを抱えている場合も少なくありません。介護の現場は、一歩間違えれば人命に関わるとても責任のある仕事です。そのため自信のなさは、介護現場においてあまり良い影響を与えません。
「実は私と同じチームになるのを本当は嫌がっているのではないか」
「私を仕事ができない人間だと思っているのではないか」
「仕事の質問を本当は迷惑に思っているのではないか」
このような漠然とした不安感が周りの人との壁を作ってしまっているのかもしれません。そうなれば職場での人間関係がうまくいかなくなってしまう可能性があります。
そもそも、なぜ自信のなさが起こってしまうのでしょうか?
それをひもとくひとつのキーワードが「自己肯定感」です。
自己肯定感とは、自分を肯定している感覚で、これが持てないと、当然自信が持てない状態に陥ってしまいやすくなるのです。そのため、失敗をしたり、ミスが続いたりすると、自分を責めていつまでも引きずってしまうのです。
そして、さらに自己肯定感がなくなり、周周りの人との接触に消極的になってしまい、人間関係が希薄化する悪循環に陥るのです。人との接触が必須である介護職は、自己肯定感がマストなのです。
自信がない理由
自己肯定感が低い場合には、過去に自分を否定されてしまったなど「肯定されなかった歴史」があるかもしれません。
もし、自分自身で自己肯定感が低いと感じているのであれば、一度自分の歴史について振り返ってみることが必要かもしれません。そして、「なぜ自信が持てないようになったのか」「なぜ他人の目を気にしすぎるようになったのか」「それはいつごろからなのか」など自分自身に問いかけてみましょう。
その理由が分かれば、自己肯定感を強く持てるひとつのきっかけになるかもしれませんし、その壁を乗り越えられれば、人間関係が上手くいくようになるかもしれません。
自分自身をカミングアウトする
また、自己肯定感の低い自分を他人にさらけ出してしまうのも1つの方法です。自信のない理由をカミングアウトして、周囲から受け入れられる素地を作ってしまうのです。
介護現場では、奉仕することが求められるので、自分を押し殺してしまいがちですが、思い切って自分自身を前面に出してしまえばいいのです。
とにかく大切なのは「自信のない自分をありのまま受け入れる姿勢」です。あるがままの自分を認める気持ちが、自己肯定感を高める第一歩となるのです。この感覚が掴めれば、介護職における人間関係は一気に解決する可能性があるのです。
他人の目が気になる
これは自信がないに近いかもしれませんが、先輩介護職員や介護施設の利用者に対して、何か引け目を感じてしまう場面があるかもしれません。
他人の目を気にしていると本当の自分を出せず、仕事上においても能力を発揮できなくなるかもしれません。
他人の目が気になる人は、自分を知られたくない人
自分を知られたくないので、人の目を気にするのです。見下された自分、笑われた自分、失敗してしまった自分、傷ついた自分をかくして、さらにありのままの自分を隠し続けているので、どうしても人の目を気にしてしまうんです。
特に人間関係が複雑な介護現場では、この傾向が強いのではないでしょうか。
人の目を気にしていると、誰かと接触するときに緊張するようになってしまいます。緊張すると体が硬直し、声も出なくなってしまいます。また、おどおどするような態度になり、失敗もしやすくなってしまうでしょう。
このような緊張感はどうしても相手に伝わってしまうので、相手からは不審がられ、信頼関係構築が難しくなってしまうかもしれません。そうなれば、人間関係の悪化は避けられないかもしれません。
過去の辛い気持ちを整理する
他人の目を気にしてしまうのは、過去の恥ずかしい経験や辛い経験が原因になっている可能性があります。介護職は教育制度が整備されていない場合が多いため、新人時代に大きな失敗をしてしまう経験があるでしょう。
そのような経験を誰にも言わずに自分の中で押しとどめていると、その辛い気持ちをずっと引きずってしまうことがあるのです。そして、その辛い状態と似たような出来事が起こると、ついつい過剰に反応してしまい、無意識のうちに人の目を気にするようになってしまいます。いわゆる、トラウマに近い状態かもしれません。
これは介護職において、比較的よく見られる事例です。ここから脱するには、まずは過去の気持ちの整理がとても重要になるのです。
まず、その辛い気持ちはいつから始まったのか。そして、その頃に何があったのかを振り返ってみることが重要になります。
その原因が分かったら、信頼できる人に話をしてみましょう。自分の中で溜め込んでしまうと、過去に決別できませんが、誰かにそれを話せば、その話はすでに過去のものになります。
自分の気持ちを楽にする意味でも、 誰か信頼できる人につらい気持ちを話す勇気が必要です。それは介護現場の先輩や同僚でもいいですし、まったく介護職に関連していない人でも構いません。
とにかく、自分の気持ちの整理が重要なのです。
打たれ弱い
介護現場は人命に関わる仕事が多く、また覚えなければいけないことがたくさんあるので、特に経験が浅いうちは落ち込む機会が多いと思います。
それがストレスとなり、「自分は介護職に向いていないのではないか」と思い悩むかもしれません。
しかし、いちいち落ち込んでいては1人前の介護職員にはなれません。
ヘコまないメンタルの強さが必要になります。
なぜ打たれ弱いと感じるのか
打たれ弱い人はちょっとしたことで傷ついてしまい酷く落ち込んでしまいます。例えば介護現場においても「この施設で自分は役に立っていないのではないか」「自分が存在しなくてもいいのではないか」と感じてしまい、必要以上に傷ついてしまうのです。
なぜのように感じてしまうのかを知るには、何より自己理解が必要になってきます。打たれ弱い理由を知ればその克服方法が見えてくるはずです。
必要とされたくて頑張りすぎる
打たれ弱い人は、役に立っている実感が欲しいあまりに、ついつい頑張りすぎてしまう傾向にあります。必要とされる人になるための努力は、自分自身の成長にもつながるのでとてもいい。
しかし、認められたい欲求が先行してしまい過ぎると、完璧にやろうとしたり、人の顔色を伺いすぎてしまいます。介護職に完璧の概念は必要ありません。
むしろ、もっと肩の力を抜いて、自然体で仕事をする方がいいのです。
打たれ弱い人は、必要以上にアクセルを踏み込んでしまう傾向にあるので、ときには自分自身での制御が重要になってきます。あまり頑張りすぎてはいけないのです。
特に介護職の場合、頑張りすぎは燃え尽き症候群になってしまう懸念があるので、要注意なのです。
仕事にやりがいを見つける
適応能力の高い人は、多少傷付くことがあっても仕事と割り切ってやろうと思えます。
一方で、その適応能力の低い人は、割り切りが難しいので、やはり周りの役に立っていると思えるような仕事を積極的に取り組むべきでしょう。やりがいを感じ、周囲から認められれば自信が生まれるので、少しずつ仕事が楽しくなってくるはずです。
そして、その過程で打たれ弱さも克服されてくるでしょう。介護現場は、人から認められる仕事がたくさんあります。周りから喜ばれるたびに、達成感を感じ充実した日々を過ごせるでしょう。
このサイクルをたくさん経験することによって打たれ弱さを克服できるようになるのです。
そして、最終的には、よい人間関係が構築できるようになるはずです。
同僚が羨ましい
覚えが早くテキパキと仕事をこなせる同僚がいると、何か少し焦りを感じます。
周りはみんな出来ているのに自分だけが劣っているような感覚を持ってしまうのです。
人の能力に大きな差はありません。
少し時間はかかるかもしれませんが、自分には自分のペースがあると割り切れば、介護現場における人間関係も改善していく可能性が高いと思います。
コンプレックス
同僚を羨ましく思う背景にはコンプレックス、すなわち劣等感があるのです。この劣等感は程度の差こそあれ、誰でも持っている感情ですが、これが強すぎると人間関係を円滑に進めていくのが難しくなってしまうかもしれません。
例えば、周りの介護職員がみんな大学を卒業していたとしましょう。しかし、あなただけが大学卒ではなかったのです。このような場合、自分だけが疎外されてしまうのではないかとの感情から、少しずつ周りと距離を取り始めてしまうようになるのです。
おそらく、このような劣等感がなければ、きっと人間関係は円滑に進んでいたでしょう。つまり、コンプレックスにより、人間関係がうまく構築できなかったのです。
自己評価の低い人は、対人関係において必要以上に引け目を感じてしまうと言われています。自己評価が低いことは、自分の価値を自らディスカウントして安売りしているようなものです。
このように自分の評価を低くしてしまう要因は、容姿や性格や仕事やお金など様々ですが、いずれの場合も本当の自分を見せたら相手にされなくなってしまうのではないかとの強迫観念から、ついつい本当の自分を隠してしまうのです。
しかし、実際はそんなことはありません。介護現場で働く人は、相手を尊重してくれるマインドの持ち主です。コンプレックスによって、人間関係を壊してしまうのは、本当にもったいないのです。
劣等感を克服する方法
コンプレックスを克服するには、これまでの自分を振り返り、劣等感を持つようになった原因を自らが理解することから始める必要があるでしょう。
また、コンプレックスが原因で人の話に入れなかったり、人と上手く関われなかったとしても、「今の自分ではダメ」とか「コンプレックスを克服しなければならない」というように自分を否定しないことが大切なのです。
ありのままでよいと自分自身を肯定できれば、劣等感に苦しまず自由に生きられるでしょう。最初のうちは他人と打ち解けられなくても、少しずつ人の輪に入っていく練習をすれば、そのうち受け入れてもらえるようになるはずです。
こういう訓練を繰り返すことによって、劣等感を払拭でき、介護現場においても円滑な人間関係を構築できるようになるのです。
嫌われるのが怖い
めんどくさい仕事や手間のかかる仕事は本来であれば誰もやりたくありません。
でも、誰かがやらなければいけないと思い、本当は断りたいのに嫌とは言えずに引き受けてしまうことはありませんか。
介護職ではよくある事例かもしれません。
これは嫌われたくないという思いの現れかもしれません。
本当は嫌なのに嫌とは言えず、その仕事を引き受けてしまうと、長い時間をかけているうちにものすごいストレスを蓄積してしまうかもしれません。
断りたいのに断れない
例えばよく問題を起こす利用者からコールがあれば、みんな本心では「めんどくさいなぁ」と思っているはずです。
しかし、責任感が強く、優しい性格の人は、その仕事を引き受けてしまうでしょう。すると、周りは暗黙のうちに他の利用者のコールはあの人に任せておこうと考え始めるようになるです。
しかも、「あの人が好きでやっている」と解釈するので、特別に頑張っているとの評価は得られないのです。
本当は断りたいのに嫌と言えない人がいます。これはその背景に「嫌われたくない」「好かれたい」と言う思いがあるのです。これは自然な感情かもしれませんが、必要以上に嫌われることに反応してしまったり、孤独を恐れたり、良い評価の獲得に固執するのは、本来の自分の感情を押し殺すことになり、ストレスを溜めてしまうのです。
介護職において、これはよくあります。このストレスが介護現場での人間関係を疎外する要因になっているかもしれません。
見捨てられるのが怖い
期待を裏切ったり、仕事を断ったりしたら、介護現場の仲間として認めてもらえなくなるのではないかといった不安を持つかもしれません。そのためにいやな仕事も無理やり引き受けてしまうのです。
しかし、それは本来の自分の姿ではないはずです。本来のありのままの自分を出せずにいるのは、見捨てられたくないという感情なのです。
甘えた経験がないような人は、見捨てられることが怖いとの思いに支配されるようになると言われています。また、これまでの人生の中で否定的な言葉を言われてきた人は、捨てられたくないとの思いが強くなる傾向にあると言われています。
そのためにいい人でいようと偽りの自分を演じてしまうのです。
見捨てられてもいいと割り切る
見捨てられるのが怖いとの感情を変えるためには、何よりその心理状態を持っている自分を認めてあげることです。
そして、本当の自分はどうなりたいのかを真剣に考えるのです。そのような気持ちを信頼できる人に打ち明けてみれば、自分が認められて、本当に必要とされている存在であるとわかってくるでしょう。
このようなサイクルを積み重ねると嫌われるのが怖くなくなります。
そうなれば自信を持って介護現場での人間関係が築いていけるでしょう。
介護職の人間関係Q&A




人間関係が改善できない場合は転職を!
努力をしても、人間関係が改善できるとは限りません。
感情がもつれてしまい、修復不可能になってしまった場合は、なにをやっても無駄かもしれません。
毎日、激しいストレスの中で介護の仕事をするのは、辛いですし、精神的な安定がないままだと、事故につながる可能性もあります。
つまり、入居者だけではなく、全員の利益にならないのです。
もし、人間関係が最悪の状態で改善が見込めないのであれば、いっそ転職してしまう方がいいかもしれません。
そのためにもまずは介護業界に精通しているキャリアコンサルタントに相談してみることをおすすめします。
特にキャリアコンサルタントの質の高い「ミラクス介護」が最適だと思われます。
人間関係の相談だけではなく、介護業界の現状や将来の見通しなどの参考になる意見も聞けるので、キャリアビジョンをつくる上で有益でしょう。
もちろん、気に入らない上司や同僚への愚痴を話すだけでも問題ありません。
キャリアコンサルタントは優しく聞いてくれるので、それだけでもモヤモヤした気分が晴れると思います。
このサービスは完全無料なので、まったくリスクはありません。
大手企業が運営しているサービスなので、個人情報の漏洩などもありませんので、安心して話しをすることができます。
その上で、新天地で新たな人間関係を作る方が、ストレスは軽減されると思えば、転職を考えてもいいかもしれません。
自分を押し殺して介護の仕事を続ける必要はありません。限界を超えた無理をしては、自分の健康を害してしまう恐れもあります。
キャリアコンサルタントのアドバイスを基に、自分の心と体に相談しながら、本当に楽しく働く環境を探してください。