介護現場における3Sとは
介護の現場には「3つのS」があると言われています。
1つ目のSは「専門性が低い」、2つ目のSは「ストレス」、そして3つ目のSは「すぐ辞める」です。
介護現場は、特別な教育を受けることなく、専門性が低い状態で仕事をしているような人が実は多くいるのです。
ただでさえ人手不足の世の中なので、介護現場でも人材獲得に頭を悩ましています。
そのために、介護職員ら入浴介助中に利用者を死亡させてしまうようなミスを犯してしまうことがあるのです。
専門性が低いために起こる事故
しかし、このように表面化する事故は氷山の一角と言えるでしょう。
死亡事故のような大事にならずに、未然に防げた小さな事故は日々の介護業務の中では頻発しているでしょう。
ちょっとしたミスでも人命に関わってくるので、介護職員の日々のプレッシャーは相当なものです。
そのために仕事に慣れてきた頃に、そのプレッシャーに耐えきれず退職を選択してしまう人が多いのです。
そして、さらなる人手不足になり、専門性の低い人を充当せざる得なくなり、ますます現場は混乱していくという悪循環に陥ってしまうのです。
こうして、1つ目のSである「専門性が低い」という状況が発生してしまうのです。
介護に必要な専門性とは
介護は専門的な仕事であり、介護職員の日々の気づきが重要であると言われています。
この気づきは、経験の中から培われていくベテランならではの感覚と言えるでしょう。
そのため、若い介護職員の中にはこの気づきを得ることがかなり難しく、多くの介護職員はこの感覚が全くないと言ってもいいかもしれません。
利用者が本当は何を求めているのか、ずきずきの感覚があればその行動から推測できるはずですが、若い介護職員にはそのイマジネーションがないのです。
また専門性の低さは、パート職員の数の多さとも関係しているかもしれません。
介護保険制度が発足してから、多くの介護施設では積極的に臨時職員やパート職員を採用してきました。
少数の正社員と多くのパート社員で運用される介護現場のサービスは多くの問題があることを指摘されています。
専門性の高い正社員がいたとしても、それ以外の専門性の低いパート職員が大勢いれば、全体としての専門性はやはり低い状態と言わざるを得なくなるのです。
介護現場における教育体制の不足
さらに問題なのは、介護現場は介護の専門職が支えるべきはずであるにもかかわらず、介護施設内での教育が不十分であり、専門技術が向上していくような組織的な仕組みが出来上がっていないという問題点があります。
理想は経験のある正社員が、若い新人職員やパート職員を教育していきながら、専門性の高い有為な人材に育て上げていくことが必要なのですが、実際には日々の業務が多忙であり、細かい教育を施している時間などないというのが現実ではないでしょうか。
そのため、昔の職人のように「仕事を盗む」ということが奨励され、教育システムは未だにできあがっていないというのが現実でしょう。
結果として、若手の職員やパートの職員は正しい介護の方法を指導してもらえる機会に恵まれず、事故の恐怖に怯えながら日々ストレスを溜めながら仕事をしているという状況になってしまうのです。
これで専門性を高めていこうという方が無理なのです。
教育制度が整備されている介護施設もあります
もしあなたが、このような状況でモヤモヤしながら介護の仕事を続けているのであれば、教育システムのしっかりした介護施設の転職を検討してみると良いでしょう。
専門性を高めて、自分の理想とする介護を実現するためには、やはり教育ししてもの整った体系が立てた介護を実践している介護施設に転職することが最も近道なはずです。
教育システムの整っている介護施設は、総じて給与や勤務条件が良い場合が多いです。
せっかく働くのであれば、条件の良い介護施設の方がやりがいも感じられあなたのためになるはずです。
躊躇せず転職を検討してみてください。