介護施設運営

退職者続出でも介護現場が混乱しないためにやっておくべきこと

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離職率

毎日の業務引き継ぎを行う

介護現場では、昨日まで元気に勤務していたのに、突然連絡が取れなくなる職員がいたりします。

何度電話をしても折り返しもなく、音信不通になってしまえば、どうすることもできません。

また、メールやLINEで突然、退職する旨の連絡をしてくる職員もいます。そして、もう翌日から出勤してこないのです。

このような突然の退職でも、現場が混乱しないよう、日頃から業務内容を職員間で共有化(引き継ぎ)しておくことが大切です。

日々、引き継ぎを行い、現場業務に支障が起こらないようにすれば、介護のレベルが向上するので、職員のモチベーションもアップします。

また、日々の業務を共有しておくと、個人に係る責任が軽減されるため、退職者が出た後の「業務負担増から新たな退職者を生み出す」という事態を避けることにもつながるメリットがあります。

日々の引き継ぎ業務を面倒くさがらずに、適切に行うことが、突然の退職を防止することにつながるのです。

 

突然の退職をシミュレーションしておく

現場リーダーは、常に誰かが退職するのではないかと考え、突然退職してしまうスタッフの「穴」をどのように埋めるのかを日頃から考えておくべきでしょう。

この穴埋めのシミュレーションがしっかりしていなければ、誰にどのような引き継ぎを行うのかというピン卜がぼやけてしまい、現場が混乱することは目に見えています。

そのスタッフが退職することによる「穴」というのは、単なる役職の欠如や人員配置基準の「穴」という問題だけではありません。

確かに人員基準を満たせない状況というのは、介護報酬の算定などにもかかわってくるので大きな問題ではありますが、そのように目に見える問題以外に着目すべきなのです。

具体的には、そのスタッフが現場で果たしてきた「役割」というものにも目を向けなければなりません。

退職者は、役職上、現場リーダーではなくても、実質的に部下の相談にのる機会が多い人材であるかもしれません。

そのように若い人やパート職員などに慕われている立場の人が抜けてしまえば、残ったリーダーにかかる負担が一気に増してしまうことも起こりえますし、場合によっては組織的な運営が難しくなるリスクもあります。

こうした可視化できな貢献をも正しく引き継ぐには、副リーダー的な存在を見つけておき、日頃から「部下の相談にのる」という一種の予行演習的な引き継ぎも行っておく必要があります。

役割りとは、目に見えるものばかりではありません。あくまで実質的な役割りも含め、普段から業務を共有化し、そこを含めて人材育成をしておかなければいけないのです。

 

業務分解したマニュアルを作成

マニュアル

適切な業務共有化の具体的なやり方は、まず、スタッフが日常的にどのような業務を遂行しているのかをアセスメントすることから始めます。

その上で、スタッフの一日の業務上の動きを数値化するなどして、整理します。

その中にどうしても必要なスキルや可視化できない業務が見つかったら、その部分を引き継がせるのに最適な人材は誰かという点をリサーチします。

ひとつの方法として、現在担当している職員に「業務を引き継がせるうえで最適な人材は誰か」について推薦してもらうとよいでしょう。

当人にとっては自分がこれと見込んだ人材であれば、引き継ぎも比較的スムーズに行えるはずです。

引継ぎに際しては、1週間程度のOJT形をとりながら、現場業務のなかで行うのが理想的です。

その後、両者と管理者が打ち合わせをし、業務遂行の上での課題はないか、あるとすれば解決するにはどうすればよいかを話し合います。

その上で、引き継ぎ業務マニュアルや業務チェックリストなどを作成します。

 

連鎖退職のリスクを軽減する方法

退職希望者の出現は「連鎖する」ことがあります。

退職希望を出しているスタッフへのマネジメントを行う過程で、同時に忘れてならないのは「退職の連鎖を防ぐ」という点です。

同じ部署において、続けざまに「自分も辞めたい」という相談が寄せられるのはよく見られる光景です。

こういう状況が起こる背景はふたつ考えられます。

ひとつは、そのスタッフが辞めることによる「人材の穴埋め」が十分に果たせない中で、現場の不安や負担が高まって連鎖退職が起こるという流れです。

もうひとつは、誰かが退職するという背景には、必ず組織内に何らかの問題が発生しており、それを放置することで構造的に連鎖退職が起こる点です。

前者については、引継ぎマネジメントをしっかりと行うことで解消を図ることができます。

その引き継ぎの状況を現埸スタッフにきちんと見せることで、「管理者クラスが現場にきちんと目を向けてくれている」というアピールにもつながりそれが安心感を生みます。

 

退職希望者との面談で「現場の課題」を見つける

面談

問題なのは、組織の構造的な問題が潜んでいるケースです。

これは、早めに芽を摘み取っておかないと速鎖退職を押しとどめることが難しくなります。

そこで、最初に退職の意向を申し出てきたスタッフと面談をして、現場にどのような課題が潜んでいるのかを同時に探り出すという姿勢が求められます。

退職の意向を示す人というのは、多くの場合、「私的な都合で」という点だけを表に出して、なかなか現場の課題を明らかにしてはくれません。

現場に対する不平不満を口にすることが、自分の評判を悪くし、円満退職をはばむという心理が背景にあるからです。

さらに問題を難しくしているのが、現場の業務課題に、利用者やその家族が関係しているケースです。

例えば、特定の利用者や家族が理解しづらい苦情を寄せ、それが現場の業務負担を増やしているとします。

しかし、それを訴えることは利用者側を悪者にしてしまうのではという心理が働き、ロをつぐんでしまうのです。

このようなケースでも、安心して問題を指摘できるよう、十分な配慮をしてあげる必要があります。

 

どこに課題があるのか仮説を立てる

ある通所事業所の管埋者は、退職の申し出があったら、一定期間現場ラウンドを増やしたり、丹念に記録チェックを行う、あるいは、リーダーなどへのヒアリング強化を心がけているそうです。

その過程で浮かんでくる課題をいくつか仮説として立ててみましょう。

そのうえで、退職意向のスタッフへの集中面談の際に、自分の仮説を披露してみます。

その仮説が当たっていれば、何らかの反応を見ることができるはずです。

そこで、その課題解決のためには、何をすればよいのかを退職希望者と話し合います。

これは、退職希望者にとっても「もしかしたら改善されるかもしれない」という希望を抱かせます。

確率的に少ないとはいえ、退職を押しとどめる可能性も出てきます。

難しいのは、賃金が低いとか人員配置が薄いなど、法人運営にかかわってくる問題です。

こうした課題については法人トップと話し合わざるをえませんが、解決のためには相当な時間がかかったり、管理者が法人と対立せざるをえない状況も生まれたりしますので、自力では解決できないかもしれません。

 

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